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ZFSで16発NAS TOWERを作ろう-iSCSIでTimeMachine編

Posted on 2009/05/26 (火) 17:58
Filed Under Mac, ZFS | | TrackBack | このエントリをはてなブックマークに追加 Share on Tumblr

ZFSで作られたNASにiSCSI Targetを作成して、TimeMachineのバックアップを行うことにした。

Leopardから導入されたバックアップシステムのTimeMachineは
・Apple純正NASのTimeCapsuleを使う
・USB HDDなどのローカルドライブを使う
というのが基本になっている。

前者のアプローチはこちらのページが詳しい。
TimeCapsuleじゃないNASを使って、TimeMachineを使ってみる | OpenMediaLaboratory

今回は後者のアプローチからテストしてみる。
物理的には16発NASを使うのでiSCSIで接続することにする。iSCSIはちょー簡単に言うとEthernetを使ってハードディスクなんかをつなげよう、的規格。

まずopensolaris側でiSCSI Targetと呼ばれる仮想HDDの準備。
Solaris 10 8/07 リリース情報」に要点はすべてまとまっているのだけど引用すると、

まず iSCSI ターゲットのサービスが有効になっているか確認します。

target# svcs -a | grep iscsitgt
disabled 9月_11 svc:/system/iscsitgt:default

サービスが有効になっていなければ、svcadm コマンドを使って有効にします。

target# svcadm enable iscsitgt

有効になったことを確認します。

target# svcs -a | grep iscsitgt
online 18:48:02 svc:/system/iscsitgt:default

次に zfs ファイルシステムを作成します。

target# zpool create -f mypool c1t2d0
target# zfs create mypool/volumes

この内の 10GB を iSCSI ターゲットの Backing store 用に作成します。

target# zfs create -V 10gb mypool/volumes/t1

上記で作成した 10GB の ZFS ファイルシステムを iSCSI ターゲットの Backing store として指定します。ここで紹介する shareiscsi が Solaris 8/07 から追加されたプロパティです。

target# zfs set shareiscsi=on mypool/volumes/t1

iSCSI ターゲットが作成したか確認してみます。

target# iscsitadm list target -v

Target: mypool/volumes/t1
iSCSI Name: iqn.1986-03.com.sun:02:6c72b7b3-0e7e-6421-d736-f8acd7b20755
Alias: mypool/volumes/t1
Connections: 0
ACL list:
TPGT list:
LUN information:
LUN: 0
GUID: 0×0
VID: SUN
PID: SOLARIS
Type: disk
Size: 10G
Backing store: /dev/zvol/rdsk/mypool/volumes/t1
Status: online
#

これで、iqn.1986-03.com.sun:02:6c72b7b3-0e7e-6421-d736-f8acd7b20755 という名前の iSCSI target が作成できました。

これだけ! 簡単!
(今回は認証設定してないんで興味のあるひとは「iSCSI ベースのストレージネットワークにおける認証の構成」辺をどうぞ)

次にMac OS Xの方。
Leopard単体だとiSCSI Initiator (本体側をこう呼ぶ)の機能を持ってないんで「globalSAN iSCSI Initiator for OS X」をダウンロードする。
インストール完了するとシステム環境設定にglobalSAN iSCSIが出てくる。

globalSAN[+]ボタンを押してIPアドレスとiqnから始まるiSCSIデバイス名を入れてConnectを押すと、このディスクは使えませんフォーマットしますか、みたいなことをいつものように言ってくるはず。

初期化が終わったところで内蔵500GBハードディスク WD5000BEVTとXBench 1.3で比較してみた。

項目 iSCSI(MB/sec) 内蔵HDD(MB/sec)
Sequential Write [4K blocks] 43.26 38.02
Sequential Write [256K blocks] 36.51 20.54
Sequential Read [4K blocks] 10.45 7.13
Sequential Read [256K blocks] 82.02 33.96
Random Write [4K blocks] 43.55 0.79
Random Write [256K blocks] 30.98 17.82
Random Read [4K blocks] 10.14 0.39
Random Read [256K blocks] 84.28 23.33

iSCSIなかなか速い。

ZFS上に作られたzvolはスナップショットをとったりクローンを作成してそれぞれをマウントできたりもするようなんでいろいろ用途はありそう。

参考資料
・「ZFS and Mac OS X Time Machine: The Perfect Team - Constantin’s Blooog
・「Solaris 10 8/07 リリース情報」(Sun Microsystems)
・「iSCSI ベースのストレージネットワークにおける認証の構成」(Sun Microsystems)
・「zvol と iSCSI と NTFS と zfs snapshot (その 1) : やっぱり Sun がスキ!
・「zvol と iSCSI と NTFS と zfs snapshot (その 2) : やっぱり Sun がスキ!
・「zvol と iSCSI と NTFS と zfs snapshot (その 3) : やっぱり Sun がスキ!

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